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対談

地方の無名IoTスタートアップMomoにリンクトイン日本代表の村上臣がジョインしたワケとは?!

2016年3月設立の神戸市のIoTスタートアップ企業「株式会社Momo(代表 大津真人(おおつ・まさと))」に、元・Yahoo! JAPAN 執行役員CMOの村上臣(むらかみ・しん)がエンジェル投資家として出資、顧問として参画しました。大津氏と村上氏は音楽性でも意気投合されたとのことで、セッションしながらお互いの良さを引き出すインタビューを敢行しました。インタビュアーは二人をお繋ぎした立役者でもあるフィラメントCEOの角勝(すみ・まさる)。新体制で初となるインタビューの内容をお送りします。

プロフィール

大津 真人(株式会社Momo 代表取締役CEO)

大津 真人(株式会社Momo 代表取締役CEO)

神戸市出身。東京外国語大学を修了後、東京大学大学院人文社会研究科にて認知心理学を専攻。大学院を中退後、ソフトウェアエンジニアを経て2016年に株式会社Momoを設立。

ピアノ奏者、バンドマンとしての顔も持つ。

社名はミヒャエル・エンデの児童向け小説『モモ』から。

村上 臣(リンクトイン日本代表 株式会社Momo 顧問  D)

村上 臣(リンクトイン日本代表 株式会社Momo 顧問 D)

大学在学中に仲間とともに有限会社「電脳隊」を設立。その後統合したピー・アイ・エムとヤフーの合併に伴い、2000年8月にヤフーに入社。一度退職した後、2012年4月からヤフーの執行役員兼CMOとして、モバイル事業の企画戦略を担当。2017年11月にLinkedinの日本代表に就任。複数のスタートアップの戦略・技術顧問を務めている

角 勝(株式会社フィラメント代表取締役CEO)

角 勝(株式会社フィラメント代表取締役CEO)

大学で歴史を学んだ後、大阪市に入職。在職中にイノベーション創出を支援する施設「大阪イノベーションハブ」の設立・運営に携わったのちに2015年3月大阪市を退職。各地でオープンイノベーションの支援、ハッカソンの企画運営を行っている。

初対面の反応はイマイチだった!?

 

角:まずは株式会社Momoって何をやっている会社ですか?

 

大津:Momoは昨年2016年3月に神戸で創業したIoTスタートアップで、IoT分野の新規開発事業や受託開発事業を行っています。

 

角:どういうプロダクトを開発していますか?

 

大津:プロダクトとしては、OTOMOS(オトモス)というスマホを制御するスマホケースを開発しました。来春販売予定です。OTOMOSがあることで、子供のスマホの使い方を改善できたり、運転中のスマホを制限できます。受託事業ではソリューション開発が主で、ビーコン連動のアプリやモバイルアプリの開発を手がけてきました。

 

 

角:村上さんとの出会いも、OTOMOSのデモをしたことがキッカケでしたよね。

 

大津:はい、そうです。SNSで角さんのところに村上さんが来られているというのを知って。たまたま近くにいたんで、プロトタイプを見せに飛び込んだんです。音楽でいうシットイン(飛び込み演奏)的な。

 

角:そう、たまたまでしたよね。村上さんはプロトタイプをみたとき、どう思いましたか。

 

村上:正直、イマイチだった(笑)子供の見守り系のアイデアってよくあるというか。

 

角:イマイチだったんですね(笑)

 

村上:プロトタイプも3Dプリンタで出力したゴツい物体がでてきて、お、おう・・・みたいな。

 

大津:だいぶ暑苦しくプレゼンしましたが、確かに反応はだいぶイマイチでしたね(笑)

 

村上:プロダクトはイマイチだったけど、大津さん自身は、まっすぐで人柄の良さを感じたのは記憶に残ってた。よくある意識高い系じゃなくて地に足がついてて。

 

角:人を見ていたんですね。

 

大津:その後の食事会にもなぜか便乗して村上さんと結構込み入ったことも話したんですが、MDMとかの普通誰も分からないようなマニアックな技術の話をしても村上さんには通じて、何でも知ってる人だなあと。

 

角:大津さんはハート強いですね。

 

大津:演奏で慣れてますからね(笑) そういえばその後、さらにカンコドリ(いわゆる歌声喫茶)にみんなで行ったんですが、そこで村上さんがドゥワドゥワコーラスに徹してて。この人はかなり普通じゃないぞと。

すごく鋭いし厳しい人だけど、人と何かをなすことを大事にしてるんだなあと勝手に関心してました。僕フロントマンなんで、そこは相性いいなとか勝手に思ってたり。

 

村上:俺は音楽ではフロントをとらないから。同じタイプだとぶつかるけど、それはなかった。

大津:分かります。VCと経営者とかでもフロントマン気質同士はぶつかるからそこは大事です。

 

角:音楽性が近かったんですね。それで意気投合して顧問になったんですか?

 

村上:いやいや、そこから半年間何も連絡がなかった。

 

角:そうなの?!

 

大津:すみません(笑)ぜひセッションしましょう! とはよく話してたんですけどね(汗)

 

SNSきっかけで、半年後に再度プレゼン。

 

大津:OTOMOSの次に構想している切り札的な事業アイデアがあって、技術的な検証も一通り終わったし、さあベンチャーキャピタルを訪ねて回ろうかとという時に、一番に相談しようと思ったのが村上さんでした。

 

角:前回、イマイチな反応されたのになぜでしょう。

 

大津:最初にお会いしてからSNSで繋がったんですが、村上さんの投稿から人柄の良さをずっと感じていたんです。ITの世界では珍しく、というと怒られちゃいますけど、自由な風が吹いていると言うか。LGBTに関する取り組みとかもされてて、誠実で、弱い立場の人や尊厳を大切に考えられているというのが伝わってきて、勝手に共感&尊敬していたんですよね。普通ならフェイドアウトしかねなかったんでしょうけど。

もちろんIoTのこともITのことも知り尽くしているレジェンド的な人だし、まず何はともあれ村上さんの意見を聞いてみようと。

 

村上:自分も大津さんと同じく、SNSで大津さんの投稿のフィーリングが合ったんだよね。政治のニュースとか。感じが一緒だなと。リベラルで、フェアネスで、世の中を良くしたいって想いを感じてた。

 

角:SNSの発信重要だなぁ。

 

大津:SNS重要です!

 

角:それで大津さんのアイデアはどうだったんですか?

 

 

村上:「いいじゃん!」と。

前よりもずっと練られてたし、何より前と違って迷いがなくて、すごい自信を感じた。

 

大津:当たり前ですけど、以前からするとだいぶ時間も経ってたしブラッシュアップして持っていったんですよね。

 

角:それで距離が近くなっていくんですね。

 

元Yahoo!CMO村上臣が地方の無名ベンチャーに出資したワケ

 

角:アイデアは良かったかもしれませんが、それだけではなかなか出資までしようとはならないと思います。村上さんが出資までいたった理由はどこにあるのでしょう。

 

村上:まずは大津さんの人柄と視野だよね。いろんなIoTを世界中で見てきて、似たようなことをやってるところはあるけど、筋の良さを感じたね。

 

 

あと、大津さんは自分のやりたいことと人のアドバイスを、いったんテーブルに並べて俯瞰して、うまく昇華できる人で。聞くところ、聞かないところを取捨選択できる。「やらないこと」を決める、捨てるものを切り分けられる能力を持ってる。経営において超重要。

 

大津:そんなこと思ってくれていたんですね(照)

 

村上:それとこれは後から知ったんだけど、戦友でもあり同志とも言える尾下さん(尾下順治・アクセルマーク株式会社 代表取締役)も出資してメンターやってるって話を聞いて、それならもっと踏み込んで応援したいと思った。

 

大津:尾下さんも突出した知性と戦略眼の持ち主で、会社としても個人としても尾下さんの存在に大きく影響を受けているし、支えられてもいます。Momoはエンジェルに凄い方が多いし、人に恵まれているんですよね。

 

村上:そうそう、最後はチームかな。Momoは大津さんが色んな言語を使えるというアドバンテージもあって、日本のベンチャーでは珍しく開発チームがグローバルで。IoTは世界のプレイヤーがグローバルなところで戦っていて、そこのマーケットで戦えるかどうかが大事なんだけど、Momoには適切な人材をグローバルなマーケットから調達できるってすごい強みがあって、戦える素地がある。

 

角:リーダー、メンター、チーム、全て人ですね。

 

村上:アイデアは変わるから。会社はバンドと同じ。Momoはバンドだよ。

 

大津:バンドといえば、そうなんですよ、村上さんはMomoの中ではある意味最後のピースとも言うべき存在でして。

 

IoTって規格争いが凄いこともあって、わりと簡単な事業をしようとしても、LoRaやSigfoxの基地局がどのくらい実際分布していて、通信パケットにしてどのくらい使われているかだとか、どの規格に乗るべきかというような大局的な流れを読む部分とか、SIMがどこから供給されてるかとか、実は判断すべきことも知るべきことも膨大で多岐にわたるんです。調べて出てくるようなプレスリリースのレベルの情報では分からないようなことも多い。事業構想だけでは絶対にダメで、実地で分かっていてメンタリングしてくれる村上さんがいるのは凄くありがたいんですよね。

 

前職のYahoo!Japanでは凄いレベルの意思決定されてたわけですし、YJキャピタルで当然様々なプロダクトを見ている。そこまでのレベルでこの分野を上から下まで把握してる人は世の中にほとんどいないんじゃないかと思います。本当に。

 

角:最後にMomoのこれからについて教えてください

 

大津:ここまでは水面下で開発を進めてきましたが、ここからは、いよいよ世に問う、という段階ですね。12月中にその新プロダクトの発表があるので、村上さんに「いいじゃん!」と言わせたプロダクトとは何なのか、乞うご期待です!

(後編に続く)

 

 

<編集後記>

今回、取材しながら、お互いをリスペクトしている様子が伝わってきました。対談後に大津さんと村上さんが、リハーサルなく即興でセッションされていましたが、なんと初セッションだったそう。改めて相性の良さを感じました。Momoでもどんなセッションが観られるかは楽しみ。後編は新プロダクトを詳しくご紹介するのでお楽しみに。

追伸:SNSは大事。ぜひリンクトインも使いましょう。(編集:羽渕 彰博)

 


 

Momo are

Masato Otsu : Vocal / Guiter / Piano

Shin Murakami : Drums / Chorus

 

Directed by : Akihiro Habuchi

Written by :  Kazuhito Kawai

Photography :  Tomonori Hamada

Recorded by :  7th Note

Special Thanks to : Masaru Sumi (Bass / Filament) and Friends.

 

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