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対談

ドラッグ&ドロップでIoT!  Momo大津真人氏が語る「Palette IoT」の衝撃

各メディアに取り上げられ大注目のMomoの新しいプロダクト「Palette IoT」。2018/3/22に開催される、アスキースタートアップ主催のIoT、ハードウェア企業のためのビジネスマッチングカンファレンス『IoT&H/W BIZ DAY 5 by ASCII STARTUP』への出展も予定されているそうです。そんな「Palette IoT」はどのようなものなのか、CEO角がお話をうかがいました。

プロフィール

大津真人(おおつ・まさと)

大津真人(おおつ・まさと)

神戸市出身。東京外国語大学を修了後、東京大学大学院人文社会研究科にて認知心理学を専攻。大学院を中退後、ソフトウェアエンジニアを経て2016年に株式会社Momoを設立。

ピアノ奏者、バンドマンとしての顔も持つ。

社名はミヒャエル・エンデの児童向け小説『モモ』から。

角勝(すみ・まさる)

角勝(すみ・まさる)

大学で歴史を学んだ後、大阪市に入職。在職中にイノベーション創出を支援する施設「大阪イノベーションハブ」の設立・運営に携わったのちに2015年3月大阪市を退職。各地でオープンイノベーションの支援、ハッカソンの企画運営を行っている。

IoTの民主化

 

角:「Palette IoT」のお披露目、おめでとうございます。さっそく、かなりの反響があったみたいですね。

 

大津:ありがとうございます。日本経済新聞ITProITmediaASCII.jpと各種Webメディアで取り上げられたこともあって、この10日ほどですでに農業、工業、医療介護、移動体、住宅土木などのジャンルで数十件の問い合わせがきていまして、対応にてんてこ舞いの状況です。

 

角:スマホでドラッグ&ドロップすればIoT開発ができるって、相当インパクトありますよね。

 

 

大津:そもそも開発者じゃなくても作れて使える、しかもPCではなくMobileでできるので、かなり新規性はあるかなと思います。

 

「Palette IoT」を使えば専門知識がなくても、低コストでスピーディにIoT開発ができるという話のほか、運転中の「ながらスマホ」を防いだり、衝突防止に使ったり、大企業との実証実験の話もあったりなど、具体的な使い方をを提示できたのも反響に繋がった要因かもしれないですね。

 

角:これまでIoTといえば、導入までにコストも時間もすごくかかるイメージがあったし、そもそも何から始めたらいいのか分からない、しかも儲からない…みたいなイメージありましたよね。それを一気に解消しちゃったのがこの「Palette IoT」だと思うんですけど、この発想はどこからきたんですか?

 

大津:例えば簡単な工場IoTソリューションを入れようと外部SIerに依頼した場合、フルスクラッチなら「センサー、ゲートウェイ、クラウド、UIで1000万円になります。月額も二桁万円ください」なんてザラにある、というか安いくらいじゃないかと思うんですけど、これって何か既視感あるなと思って。

 

今この対談が掲載されているWebページも、以前はHTMLなどの専門知識がなければ作れませんでしたよね。昔は簡単なサイトでも3桁万円平気でかかってた。それが、ブログサービスやCMSの登場でハードルがぐっと下がって、簡単なものなら誰でも作って情報発信できるようになった。それと同じようなものはIoTでも必要だなと思ったんですよね。

 

角:おお! IoTの民主化ですね!

 

(ドラッグ&ドロップでつなぐPalette IoTの開発画面)

 

大津:センサーからのインプットを受け取る、受け取ったデータを必要な先に送る、そういったIoTのコアとなる部分、だけど一番大変で苦しむ部分を最低限のコストで利用できるようにしようと。スマホをエッジとすることで大抵のことはクラウドへの通信もいらないですし、アプリ上で可視化までできるのでそのための環境構築も必要ない。

というかいちいちアンテナに飛ばしてまた戻してっていう過程、いらない場合多いんじゃないかなって。

 

と言いつつも、もちろん、スマホからJSON形式でデータを送れるので、外部サービスとの連携も可能です。

 

角:なるほど。ニンテンドーの「すれ違い通信」みたいなアドホックでの通信もできるんですね。その通信規格にWi-SUNを選んだ理由ってどんなところでしょう?

※Wi-SUN…次世代電力量計「スマートメーター」などに採用されることで注目を集めている次世代無線通信規格の1つ。

 

大津:もともとOTOMOS(スマホを使用制限できるスマホケース)から出発してるのでP2Pでスマホケース内の基板に実装できること、省電力であることが必須要件でした。

あとはそれに関連しますが、通信仕様からの判断ですね。

 

例えば身近でよく使われているBluetoothだと、通信できる距離は1〜100m程度ですが、Wi-SUNは1.5kmの通信が可能です。しかもマルチホップといって、範囲内の機器を中継地としてバケツリレーでデータを送ることができ、さらに広範囲でもカバーできるんです。3Gなどの回線を必要としないので、例えば地下街や工場施設内、また広大な農地といった、電波の届かない地域や施設内でもこれで通信できます。

 

角:へー、かなりいろんな場面で使いやすいってことですかね。さきほど実証実験の話がありましたが、具体的にはどういったことをされてるんですか?

 

大津:今進めているところでは農業(温度・湿度・CO2モニタリングなど)、介護(離床、排泄、カルテ記入など)、運輸(距離センサでバック時の事故防止など)、警備(3G通信県外での通信、巡回確認など)と様々です。

 

神戸での実証実験では、非常時にこれら同地域のパートナー企業がメッシュネットワークをお互いにシェアする試みも行います

 

ご参考:災害発生時の支援計画を神戸市のベンチャー4社が発表、LPWAを使いネット環境を確保へ

 

受託からの解放と今後の展開

(Momo代表取締役 大津真人氏。2018年3月 東京大手町開催FIBCにて。Momo社提供)

 

角:ぶっちゃけたことを聞いてしまいますが、それらの実証実験をやる中ですでに収益性という点は想定できるようになってきてます?

 

大津:それらの実証実験ではもちろん試作用としても提供しているんですが、

基本的方針として各業種2〜3社のパートナーさんが代理販売する前提で一緒にソリューション開発を進めていくスタイルで進めています。

その意味では受託でうちが儲けようという考えを取らずにやってます。

 

角:実施されている実証実験の幅もすごく広いですがPaltte IoTの今後の展望ってどんなことをお考えですか?

 

大津:まだ発表前ですけど、ロボットOSとの連動も密かに試しています。

少し先回りして言っちゃうと、この「Palette IoT」は、IoT統合プラットホームではあるんですが、それ以上の意味があって。最終的には現実世界をモバイルOS、Robot OS、Car OS、Home OSに繋ぎこむゲートになるためにあるんですね。

 

例えば自動運転なんかでは膨大な画像処理や統計処理が必要になりますけど、むしろセンサー側からデータを渡せば簡単に解決できることも往々にしてあると考えています。

全てを繋ぐという意味では、もしかすると「myThings」なんかと近い発想かもしれません。

 

その辺村上臣さんはご存じと思うんですが、そういう世界線というか未来像というのはあるのかなと。

その意味で結構射程の広いプロジェクトなのかなと。

 

角:なるほど。ワクワクしますよね。村上臣さんも「いいでしょ。これが面白くて俺、顧問になったんだよ」って言っていましたよ。そして、この春にいよいよ出荷が始まりますが、どんな風に使われていくと思いますか?

 

大津:「Palette IoT」は、センサー、センサーを取り付ける送信側基板、受信基板としてスマホに取り付けるリングホルダー、スマホアプリの4つをパッケージにしたものですが、8種類のセンサーがパッケージに含まれているので、まずはそれをつかってPoC(Proof of Concept)としてあれこれ試行錯誤していただくところからだと思います。

 

(Palette IoT一式)

 

PoCのハードルも相当低いですが、そのまま量産発注して大量導入も可能なので、量産・実配備へのハードルも低く、PoCで終わらないところが「Palette IoT」の強みのひとつだと思っています。

 

今後も実証実験は色々と実施していきますが、アイデア次第で様々な用途に利用できるし、現場で困っている方ほどイノベーターになれるようなものですので、どんどん新しい事例が生まれてくると思っています。

そこは弊社のメンバーも本当にワクワクする部分です。

 

まだまだヨチヨチ歩きを始めたところですが、「Palette IoT」を通じて社会が少しでも良くなることを期待しています。

 

角:ありがとうございました。

 

 

こちらの記事では、大津さんと、村上臣さんとさんの出会いからジョインまでを紹介しています。合わせてお読みください。

地方の無名IoTスタートアップMomoにリンクトイン日本代表の村上臣がジョインしたワケとは?!
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