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対談

地域が「組む」ことで日本全体がハッピーになる! 11/21QUM BLOCS直前・角勝インタビュー

2018年11月21日、フィラメントは渾身の大型カンファレンス「QUM BLOCS」を大阪・梅田のKANDAI Me RISEで開催する。テーマは「地方からのイノベーションの連鎖」。登壇者もフィラメントの人脈から、地方の課題に対して真摯に向き合いながらビジネスとして解決の糸口をつかんだ、多様なイノベーターで構成している。なぜ今「地方」なのか? QUM BLOCS開催を前に、全国を飛び回るフィラメントの代表・角勝にその想いを聞いた。

――5月に開催した「QUMカンファレンス」とは登壇者の傾向が変わりましたよね。

 

 QUMカンファレンスは、新規事業を作る場として、従来型大組織があまり合わなくなってきて、その組織構造や評価視点を見直す必要があるよね、という内容で、産業を起こす側の方、新規事業部門やイノベーション推進部門のマネージャークラスの方に多くご参加いただきました。「大企業がイノベーションを起こせない」ということについて、大企業自体もすごく悩んでいるし、責任を持って取り組むマネージャークラスの方もみんな悩んでいる、そういう同じ課題意識をもった人たちが集まる場を作れたことはとても意義が大きかったと思っています。

 

 一方で、新しい産業は、やはり「東京」を軸におこっていくのが多いんだというのは、東京でQUMカンファレンスをやって改めて感じました。スタートアップを起こす人、メガベンチャーを起こす人は、やはり東京が多いんですね。金銭的リソースや人的リソースがふんだんにあるから。

 

――地方だと、新しいビジネスを起こすのは難しいのでしょうか?

 

 いや、そうではなく、起こし方が東京とは違ってくるんだろうなと思います。

 

 地方には、人がいない、お金がないという問題があります。

 では東京なら大丈夫なのかといえば、そんなわけはなく、東京よりも先に、地方の方が問題が顕在化しているだけです。これから日本の人口が減っていくのはもう間違いないわけですから。

 

 そして少子高齢化、人口減少、労働力減少という問題は、地方が直面している課題の氷山の一角にすぎません。他にもたくさん課題があって、地方の人たちは日々それに真剣に向き合っている。大阪に拠点を置き、地方の方々と仕事を機会の多いフィラメントならではの気付きかもしれませんが。

 そういった地域ならではの課題をベースにして、他の地域、あるいは東京でも通用するような新しい産業が生まれることも、当然あり得ると思っています。

 

 東京にはすでによく知られた「すごい人」がたくさんいます。

 しかし地方にも、まだ東京ではあまり知られていないけどすごい人がたくさんいます。

 地方において、すでに課題に対する答えを提示したり、光明を見出している、そういう方々を集めて、地域の課題、ひいては日本全体の課題とその解決に向けて、ディスカッションする場を、あえて東京以外の場所で作るべきなのではないか? そう考え、QUM BLOCSの企画に至りました。

 

――新たに付けられた「BLOCS」という言葉にはどんな意味を込めているのでしょうか?

 

 BLOCSというのは、連合とか、同盟という意味があります。それは上下の連携ではなく、フラットな連携を意味すると思っています。横展開して、フラットに広がる連携。東京一極集中、東京を中心にして同心円状に広がっていく連携の仕方ではなく、地域がメッシュ型にネットされ、更に地域同士がある程度の大きさと塊を持つブロックになっていくことで、脱東京中心化を果たす、そういう意味を込めています。

 

――4つのセッションにも、「地域」「ローカル」「地方」といったキーワードが込められています。それぞれどういうセッションになるのか教えてください。

 

 

 セッション1の「地域×サービス」では、地域がサービスをうまく使い、活性化や課題解決を成し遂げ、活路を開いていくということについてディスカッションできればと思っています。

 

 例えば、電脳交通は、徳島でタクシー事業者の高齢化や人材不足が深刻である点に着目し、配車センターのIT化、クラウドサービス化をすることで課題解決に取り組んでいます。

 そして、それは徳島だけの問題ではなく、他の地域にも、どんどん横展開していける話だと思っています。

 また、電脳交通だけでなく、Facebookと神戸市が連携した事例、そしてhandy Japanが無料のスマートフォンを宿泊施設に提供した事例も、どんどん横に展開できる話です。

 

 地域の活性化といっても、東京の大型店舗を誘致したところで、そこで売り買いされたお金のほとんどは東京に吸い上げられてしまいます。そうではなく、地域とサービスの共存共栄、このサービスがあることで、この町を訪れてそこにお金を落とす、みたいな、売り手、買い手、地域が三方良しになる、そういう構造になればいいなと思います。

 

 セッション2の「ローカルブロック経済」は、お金や人が東京に吸い上げられる構造がある中で、地方ならではのお金を回していく方法がありうるのではないかというのを考えています。

 その一つが電子地域通貨で、わかりやすいのが今回ご登壇いただく飛騨信用組合の古里さんが中心になって進めている、「さるぼぼコイン」ですね。

 昔の地域通貨は、お金の循環が止まったときに、どこで停滞しているかがわからず、うまくいかないことも多かった。しかし電子地域通貨は、どこで何を購入したかがログで残るので、経済が停滞した理由を把握できるし、次の一手を打って回していくこともできるようになるはずです。

 クラウドファンディングやキャッシュレスなど新しいプラットフォームを使い、地域における経済の活性化を、リアルにお金の面から考えておられる方々をお招きして、地域循環型の経済の可能性についてお話いただく予定です。

 

 セッション3の「地方魅力発掘」については、地域の特色を鮮やかに浮き彫りにして、うまくアピールしている方をお招きして、取り組みや再現性についてお話いただきます。

 例えば古都里の豊原さんは、貿易代行業などさまざまな経歴をお持ちの方で、その経験の中から和歌山に着目され、ゲストハウスのビジネスを始めて、それを複数箇所で展開しています。

 同じく和歌山で起業したglafitの鳴海さんや、北海道で農業のブランディングを手がける森平さんからも、どのように地方で魅力を発掘、発信しているのかをお聞きし、さらにそれらが他の地方でも横展開できるのかについて、みなさんと一緒に考えていくのがこのセッションです。

 

 セッション4の「自走する地域」は、地域の中にたくさん眠っている有効な資源をうまく使って活性化していこうというものです。まさに生駒市の小紫市長が代表例です。

 生駒市で何かをするのに、お金を払って外部から人を呼ぶのではなく、市内の人材を活用する。例えば音楽祭をするのに、地域の中にオーケストラに所属している人がいて、そういう人が「生駒のために」と一肌脱ぐ。そしたら、「俺もこの分野なら教えることができそうだ」という人が現れて、どんどんコミュニティが活性化していく。

 

参考:「自治体3.0」生駒市長・小紫雅史さんに聞く、自走するまちづくり

http://thefilament.jp/dialog/2117/

 

 イトナブもそうですよね。石巻の中でエンジニアを育て、そのエンジニアが後輩を育てる、そういうコミュニティを作っている。セッション2の「ローカルブロック経済」が「お金」を経済の中で回すという話だとしたら、セッション4は人の資源・人の能力や才能を地域の中で回そう、それが「自走する地域」です。

 

――最後に全体を通してQUM BLOCSの目指すところを教えてください。

 

 

 日本全体をハッピーにすることです。地方創生って、国はもう自治体の面倒を見るだけの体力が残ってないから、自活できるようにがんばってくださいという宣言のようなものなんですよね。地方の生き残りをかけたサバイバルレースはすでに始まっています。頑張っている自治体には国もお金は出すけど、そうでない自治体にはお金を出さなくなる。魅力的な自治体と、そうでない自治体の差が、これからどんどん広がっていきます。

 

 でもそこで地域の町同士が競争するのではなく、横に連携していくことで、日本全体がハッピーになるし、さらなるビジネスチャンスにつながるはず。

 登壇者や参加者もぜひ互いにつながって欲しい。

 そういう話ができる場がこれまでになかったし、必要になると思っています。

 そしてそれは、これまでのキャリアからみても、僕やフィラメントだからできること、役割なのではないかと考えています。

 

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