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ソニー新規事業プログラムから独立、『みんチャレ』開発の原点とは(エーテンラボ長坂氏)【Re:Framing the Flame】

ソニー新規事業プログラムから独立、『みんチャレ』開発の原点とは(エーテンラボ長坂氏)【Re:Framing the Flame】

【イベント情報】

2017年4月9日開催

Filament.Inc創業2周年イベント『Re:Framing the Flame』

スタートアップセッション

【登壇者】

エーテンラボ株式会社 代表取締役 CEO 長坂剛(ながさか・ごう)氏

2006年ソニー(株)入社。B2B営業やデジタルシネマビジネスの立ち上げを経て戦略部門マネージャー。ソニー・コンピュータエンタテインメント(現:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)にてプレイステーションネットワークのサービス立ち上げに従事。ソニーの新規事業創出プログラムで統括課長として「みんチャレ」を開発。2017年A10 Lab Inc.を設立しソニーから独立。ソフトバンクアカデミア 外部一期生。大企業のイントラプレナーからスタートアップのアントレプレナーに進化した起業家。

Filament.Inc創業2周年イベント「Re:Framing the Flame」は、Filamentがつながりのある人達とのセッションを通じ、今後社会に提供すべき価値について共有するイベントです。ここでは、習慣づけアプリ「みんチャレ」を手がけるエーテンラボ長坂氏の取り組みを紹介します。


――このセッションでは、大企業をスピンアウトした、あるいはこれからするという3人に話をうかがって、彼らのマインドセットを掘り下げていきます。まずは長坂さん、よろしくお願いします

エーテンラボの長坂です。よろしくお願いします。私は何らかの目標を達成したいけど習慣が身につかないという課題を解決するため、「みんチャレ」というアプリを世に出しました。

Google Playベストオブ2016に選出

「みんチャレ」のユーザーは、50種類のカテゴリから身につけたい習慣を選び、知らない人たち同士で5人1組でチームを組みます。そして毎日取り組んだ証拠を写真に撮ってグループチャットに投稿し、チームで励まし合って習慣化させていきます。

Google PlayやApp Storeのレビューは平均4.7で「ダイエットに成功した」「フルマラソン走れるようになりました」と高い評価をいただきました。「KURASHIRU」や「PEAK」といったアプリと並んでGoogle Play ベストオブ2016のベスト自己改善アプリ部門に選ばれ、現在ダウンロード数は20万を突破しています。

また企業に対しては、「みんチャレ」を活用して企業と消費者の強い結び付きを作るというビジネスを提供しようとしています。それは、企業が抱えているユーザーを「みんチャレ」に誘導し、習慣化させることで自社製品の利用率を上げるというものです。

例えば、企業も1ユーザーとして各チームに参加し、そこでユーザー同士が自社製品・サービスを使いながら行うやりとりを見ることができます。また、チャットで直接ユーザーとコミュニケーションもできます。

企業に提供できる価値としては、利用者の継続率アップ、インサイト(本音)の発見、ファンの育成になります。ユーザーを幸せにしつつ、企業には利益をもたらすサービス。それが「みんチャレ」です。

幸せ=自分から行動、ゲームの喪失感から考えた

「みんチャレ」公式サイトより

私は元々ゲーマーなんです。ゲームをやっているときが一番楽しくて幸せでした。ところがゲームを辞めることになり、幸福感を得られる手段を失ってしまいました。「どうすればもう一度幸せになれるのか?」と考え、その方法を研究したところ、自分から積極的に行動を起こすと、人は幸せになれる」という結論に至りました。

ゲームも「自分から積極的に行動を起こす」ことの連続で人を幸せにしていますが、これをもっとリアルな世界に応用したいと考え、友人とアプリを開発し始めたのです。

ちょうどよいタイミングで、ソニーが新規事業創出プログラムのオーディションがありました。オーディションで採択され、育成開始。アプリローンチ後も約1年間育成してもらった後、いくつかのベンチャーキャピタルより資金調達し、独立しました。また、StarBurst(旧:Supernova)のアクセラレーションコミュニティや、野村アクセラレータプログラム「VOYAGER」にも採択されています

私は大企業出身ということで、大企業のやりたいことがわかるという強みがあります。この強みをいかし、大企業のアクセラレータプログラムを活用しつつ、大企業をビジネスパートナーとして組んでやっていけたらと考えています。

あえて新規事業に応募した理由

――長坂さんは、最初からソニーをスピンアウトするつもりだったのでしょうか?

長坂:はい。「みんチャレ」を出すときには、ソニーを退職すると決めていました。チームのメンバーも、退職を前提とした仲間を集めていましたし。

――仲間集めは大変ではなかったですか? 一緒にソニーを退職してくれる人って、そんなにいるものでしょうか?

少ないでしょうね。スタートアップでやるより大企業の生涯年収の方が高い場合が多いですからね。しかし皆、収入以上に挑戦する課題にやりがいを感じて参画してくれています。スーパーエンジニアも一緒にソニーを辞めて来てくれました。「習慣」ってなかなか身につかない、人類永遠の課題ですから。

――やりたいことがあるなら応募せず自分で始めてもよかったのでは? なぜ会社の新規事業に応募したのでしょうか?

タイミングももちろんですが、「チャンスが有るのであれば活かそう」という精神ですね。ソニーの新規事業としてやっている期間は、給料をもらうことができるので。

スタートアップで大変なのは、最初ですよね。初期プロダクト開発中や資金調達前、売上が入るまでは無給でやらなければならないので。会社のプロジェクトとして仮説検証を行えてプロダクトに集中できる環境はありがたいです。

その先にソニーとしての利益とエーテンラボとしての利益が少しでも重なるところがあれば、恩返しもできますし。

――スタートアップの一番のリスク、特にサラリーマンが独立起業するときのリスクって、当座の生活に関することですよね。お給料をもらうことで、自分のやりたいことに安心して打ち込めるというのは大きなメリットですね。

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