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初開催!「Beyond the Biz ~ビジネスを越境せよ~ #1」ビジネス×哲学 イベントレポート

初開催!「Beyond the Biz ~ビジネスを越境せよ~ #1」ビジネス×哲学 イベントレポート

【目次】

リベラルアーツな「知の探索」がイノベーションには必要だ!

哲学的な雑談プラトンはSNSをやるか?

懇親会はリラックスした雰囲気で哲学的にBizをさらにメタ認知

 

リベラルアーツな「知の探索」が
イノベーションには必要だ!

 

※文末に次回の案内もありますので、ご覧ください!

 

どうも、フィラメントの宮内です。

 

6/26(水)東京ミッドタウン日比谷の「BASE Q」、フィラメントの新たなイベントシリーズ「Beyond the Biz ~ビジネスを越境せよ~ #1」の開催レポート、です。なんですけど、あらかじめ断っておきますと、哲学的なモデレートで手いっぱいだったこともありICレコーダーを回し忘れる、、という80年代のミスを犯してしまったがために(笑)、克明な第三者によるレポートっていうのがはなはだ困難な状況にあるわけです。

 

一応記憶している範囲で書いてはみたんですが、ぶっちゃけあまりおもしろくない(笑)。ので一人称の軽い感じで書くことにします。じゃあブログじゃないのか?という疑念もわいてくるのですが、あくまでレポートです。感想だけ書くわけではなくて。ちなみに、ずっとこの調子で続きます(笑)。

 

今回初開催のこのイベントは、いうなれば「オトナの知の嗜み」シリーズです。リベラルアーツの大切さが語られる昨今、単にMBA的な知識ではなく、「メタ認知」に通じるスキルを磨くための勉強会を始めたみようと思ったわけです。しかも少人数制で。

 

もともとは「ビジネスマン向けのリベラルアーツ勉強会が欲しいよね」というフィラメントCXOの佐藤と、「やりがい搾取のサロンとかでなく、クローズドでフラットな知の交流ができるといいよね」という宮内の思いつきから始まってます。その内容が、ゆくゆくはフィラメントの事業の独自性や、自主開催のカンファレンス「QUM」につながっていけばいいよねー、みたいなライトなノリで。

 

で、初回何やりますかね、やっぱ哲学じゃないすかね、ということで、京都の気鋭の哲学者、谷川嘉浩さんをお呼びしました。

 

 

谷川 嘉浩(たにがわ・よしひろ)

京都大学人間環境学研究科博士後期課程、京都市立芸術大学非常勤講師、日本学術振興会特別研究員(DC2)

専門は、哲学・観光学・教育学・消費社会論。特に哲学では、「プラグマティズム」と呼ばれるアメリカに源流を持つ哲学をベースに、「宗教」「政治」「消費」という三つの観点から、近代社会について研究を進める。有限性、共同性、想像力、創造性をキーワードに、デザイン・広告論からボーカロイド、アナログゲーム制作/研究まで、幅広く活動・発信を行う。新京都学派の「言葉と教育」研究会共同代表。

著書に、戸田剛文編『今からはじめる哲学入門』京都大学出版会、『ユリイカ 総特集=梅原猛』青土社、岡本健・田島悠来編『メディア・コンテンツ・スタディーズ』ナカニシヤ出版(近刊)など。

 

これ実は引用元がありまして、キャスタリア株式会社の山脇智志さんが企画した「High Fidelity Session1: テクノロジーと哲学」ってイベントがヒントになっています(山脇さん、いつもありがとう)。

 

さてイベントは、まず私・宮内のコンセプト説明からスタート!

 

 

なぜビジネスマンに哲学やアート、リベラルアーツが必要なの?と問われたときには、私は「メタ認知」「抽象化思考」「インテグラル理論」と最近は答えるようにしています。

 

例えば「インテグラル(統合的)」というのは、差異の中にある共通性を大切にすること、多様性の中にある統一性を尊重することを意味します。だから哲学、心理学、人類学など多様なテーマを統合的に捉えることを通して、「人・組織・社会の健全な発達のモデル」を示すということです。なんかビジネスに応用できそうな気がしてきますよね。

 

まずは谷川さんによる1時間の講義。目次がこれです。

 

 

谷川さんは、プラグマティズム哲学の研究者として知られています。ここでは観念よりも経験を重視するとか、形而上学とは反対の立場を取るとか、ざっくり解釈して読み進んでください。

 

 

1時間に及ぶ講義なんですが、かけあい漫才のような調子です。合間合間に質問を挟み込み、会場からの質問も受け付けるというインタラクティブな雰囲気。これって私が谷川さんと話したりお酒を飲んだりする時がいつもこんな感じなんです。私が具体(ビジネスやITサービスの話)を言い、谷川さんがそれを抽象化して返す、という。それって「知の探索」につながると思います。

 

 

哲学者ジョン・デューイに基づいて、「新しいことをやるときにこそ哲学が必要である」と谷川さんは述べつつ、いかにして習慣を変えていくかということを哲学的に解いていきます。 一見抽象的な講義ではあるんですが、合間合間に質問をしたり具体化していくことで、抽象的だったものが具体的なイメージとして頭に刻み込まれていく。この会のコンセプトをまさに体現したような雰囲気になりました。


哲学的な雑談
プラトンはSNSをやるか?

 

印象的だったのは、谷川さんの2枚のスライド。

 

 

人の習慣はなかなか変わらない。だからイノベーションとなる製品には「メタファー」が付与されている。車には「馬車」のメタファーが、電子書籍には「めくる」という本のメタファーが付与されている、と。

そうした習慣を変える際に、「言語習慣を変える」という補助線を谷川さんはいったん引きました。言葉は「認識を左右する」「個別の習慣にフォーカスしやすい」「経営理念みたいな話につながる」からだ、と。

 

 

そして「言葉には直観が必要だ」というイ・ミンギョンの言葉を引用し、「人は既にある考えを言葉に置き換えるのでなく、言葉を通じて考える」「もやもやした自分自身の感覚から、言葉/概念を切り離さない」ことが大事だ、と主張します。

 

 

ここで私から、「逆に、深く認識・定義されないまま言葉だけが一人歩きしちゃう状況ってのもありますよね。SNSとかどう捉えてます?」とツッコミ。

 

谷川さんの回答はこうでした。

 

「SNSはモノローグを増幅させるけど、対話は複数性の問題で、結局ベースには信頼関係と対等性が必要」

「対面的関係には、プリミティブな共感を発生しやすくさせるメリットがある」

「人は言葉に捉われるけれど、実際には様々な感覚で(マルチモーダルに?)コミュニケーションしている」

 

かんたんに言うと、SNS=言葉だけではダメで、こうした「共感」「直感」「対話」を並存させるのがとても大事ということですね。

かつ「プラトンがSNSやってたら、たぶんSNSに対しての文句をぶつぶついいながら、ヘビーユースしていると思います」という盛大な雑談で盛り上がりました。

 

 

理想を明確に言語化せず、「方向感覚」として捉えることが大事である、というまとめで、谷川さんは講義を締めくくりました。こうした二元論のワナに陥らない態度って、ビジネスにおいても社会に対しても広く応用できる現在的な態度であるなあ、などと宮内は思ったのでした。

 

懇親会はリラックスした雰囲気で
哲学的にBizをさらにメタ認知

 

 

 

というわけで後半は懇親会とQ&Aをミックスしたリラックスした雰囲気で。ドリンクや軽食をしながら、参加者同士、そして谷川さんも交えての会話が弾みます。

 

よくビジネス・カンファレンスで、登壇者の前に名刺交換の行列ができちゃうのって、かっこ悪いじゃないですか。登壇者も覚えきれませんよね、普通。本イベントは「全員と話しましょう」というのを理想としてます。

 

 

といいつつ、たくさん話しすぎて休憩しそこねたせいか、後半のQ&Aの最中には、登壇している谷川さん本人がトイレに行ってしまうという自由さでありました(配慮不足で皆さんすみませんでした)。

 

 

こうした「ビシネスをメタ認知する」「具体と抽象を往復する」過程から、いろんな論点が新たに見えてきました。

 

 「問いと答えは同じ顔をしている」

 「考え続けなければいけないという不確実な態度は、認知的に負荷が高い。それぞれの現場を意識しながら、他の現場については、信頼に足る人を探せるかどうかだ。」

 「何かを言語化することのコストを考慮にいれるべきだ」

 「安易な想像力を超えるためには、知識が必要」

 

「ここに挙げたのは、スライドに盛り込まなかったけれど、対話の中で出てきた論点の一部です。これも、みなさんと具体的に視線のやりとりができるだけの距離感だったことが大きいのだと思います。それぞれの話題で、いくらでも話せそうなくらいですね。笑」と、谷川さんはFacebookで感想を綴ってくれました。

 

というわけで、結局自画自賛みたいになってしまうわけですが、初回にしてはリラックスして学びを深められるいい空間になったんじゃないでしょうか?

 

次回は8/6、テーマは「アート」です。最近仲良くさせていただいているアーティストのKiNGさんと、フィラメントCSOの村上臣(LinkedIn 日本代表)に登壇をいただきます。

 

 

場所は「kudan house」。築90年を越す歴史的建築・旧山口萬吉邸を拠点にした会員制ビジネスサロンで、文化的な心地よい空間です。KiNGさんのアート作品も展示させていただこうかな、と思っています。

 

アートも「問い」が大切です。夏の夜、VUCAの時代を読み解くための「方向感覚」を養ってみてはいかがでしょうか?

(文:宮内俊樹)

 

 

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