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対談

蛯原健 × KiNG × 村上臣(友情出演)× 角勝【緊急鼎談/テクノロジー思考とアート思考】#1/6

昨年立ち上がったLinkedIn(リンクトイン)編集部が主催するミートアップ、「これからの働き方、生き方」を通底のテーマにした、コラボレーション・イベント。 10/16(水)に丸ビル カンファレンススクエアにて、LinkedIn x Filament, inc.のミートアップが開催されました。

スピーカーは、アーティスト、デザイナー、プロデューサー等様々な顔を持ち、国内外で多方面に活躍するKiNG氏と、シンガポールを拠点にアジアに特化したベンチャーキャピタルを運営するリブライトパートナーズの蛯原健氏の2人。モデレーターは、フィラメントCEOの角勝氏が務めます。異色の3人による鼎談…のはずが、フィラメントCSO(LinkedIn 日本代表)の村上臣が当日飛び入り参加!異色の4人が、テクノロジーとアートの交差点から世の中を読み解くためのものの見方と接し方、未来を掴み取るために身につけるべき思考法などについて深く掘り下げてディスカッションしていきます。

プロフィール

蛯原 健(えびはら・たけし)

蛯原 健(えびはら・たけし)

リブライトパートナーズ 代表パートナー
アジア地域に特化した独立系ベンチャーキャピタルファームをシンガポール本社、インド・バンガロールおよび東京の3拠点体制で運営。本年8月8日に新著「テクノロジー思考」をダイヤモンド社より上梓。1994年横浜国立大学経済卒、ジャフコに入社。2008年独立系ベンチャーキャピタル、リブライトパートナーズを創業。2011年シンガポールに事業拠点を移し、アジア投資を開始。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。
経産省『飛躍 Next Enterprise 2018』派遣企業選抜審査 有識者委員会委員 特許庁「知財アクセラレーションプログラム 2018、2019」有識者委員会委員 シンガポール国立大付属リークワンユー公共政策大学院 非常勤講師 NewsPicksアカデミア プロフェッサー 東京都アクセラレーションプログラム(ASAC) 公式メンター他多数。

KiNG (キング)

KiNG (キング)

アーティスト/デザイナー/プロデューサー/自由研究家

多摩美術大学前期博士課程(美術研究科・彫刻)修了。

在学中より、国内外の企業、媒体、作品、ミュージシャン、俳優等に向け、デザイン、アート、コスチューム等を提供。

自身のカスタムブランド”KiNG”は、国内外で取り扱い中。中国・天津、台湾・高雄 に店舗を構える。

又、映画プロデューサーや、企業の経営戦略アドバイザーも務める。

その他、講演会への出演、オンライントークショー”Kundalini TV”主宰するなど幅広く活躍。

村上 臣(むらかみ・しん)

村上 臣(むらかみ・しん)

フィラメントCSO(LinkedIn 日本代表)
青山学院大学理工学部物理学科卒業。大学在学中に仲間とともに有限会社「電脳隊」を設立。
2000年8月、株式会社ピー・アイ・エムとヤフー株式会社の合併に伴いヤフー株式会社入社。
2011年に一度退職した後、再び2012年4月からヤフーの執行役員兼CMOとして、モバイル事業の企画戦略を担当。2017年11月に6億1000万人が利用するビジネス特化型ネットワークのリンクトイン(LinkedIn)の日本代表に就任。複数のスタートアップの戦略・技術顧問も務める。

角 勝(すみ・まさる)

角 勝(すみ・まさる)

1995年~2015年、大阪市役所に勤務し、「大阪イノベーションハブ」の立上げと企画運営を担当。2015年、大阪市を退職し、フィラメントを設立した。多くの企業で新規事業開発プログラムの構築・実行支援や独自設計したワークショップとコミュニティマネジメント手法を用いた人材開発・組織開発を手掛ける。2016年には企業アライアンス型オープンイノベーション拠点「The DECK」の立上げにも参画し、他のコワーキング・コラボレーションスペースのコンセプトメイキングや活性化にもアドバイザリーを提供している。

 【目次】

冒頭からリベラルアーツな雑談が連発!

コンテクストを探す蛯原さんの思考スタイル

KiNGさんの基盤にあるオールドスクール

 

 

冒頭からリベラルアーツな雑談が連発!

:今日はリンクトイン編集部とフィラメントの合同イベントということで、「テクノロジー思考とアート思考、それぞれの達人が語る現代と未来」。では簡単に自己紹介から。今日司会を務めさせていただきます、フィラメントの代表取締役・角と申します。

 

今日は僕よりもこのお二人が主役でして。じゃあ蛯原さん、軽く自己紹介お願いします。

 

蛯原:僕はシンガポールで、ベンチャーキャピタルファンドをやっています。シードステージ、アーリーステージのテクノロジー系のスタートアップに投資をして、日本ではなくて東南アジアやインドばかりやってます。

 

アジアで投資をしていると一緒に投資をするのが米国のPEファンドだったり中国のアリババやテンセントだったりして。グローバルのテクノロジーとファイナンスのトレンドを言語化したいなっていう思いが募り、この8月に書籍を出させていただきました。

 

:『テクノロジー思考』。

 

蛯原:ええ。それを角さんにめっちゃ熟読、ラブコールをいただいてこの前対談をさせていただきましたね。

 

:すごい面白かったです。多分美意識の高いみなさんが読まれたら、「はは~、なるほどね」っていうおすすめの1冊でございます。ではKiNGさん、よろしくお願いいたします。

 

KiNG: 私は、大学が彫刻科の現代アート専攻で、大学院時代からコスチュームを作るようになって、ファッションデザインを20年くらい続けています。そこからプロデュースをやるようになったり、映画も短編と長編を作ったり。あと企業の経営企画とかもお手伝いさせていただいています。

 

:ものすごい多才でいらっしゃいますし、Youtubeの番組もやってますよね、「Kundalini TV」。

 

KiNG:Forbes副編集長の谷本有香さんと一緒にやってます。そこで尾原和啓さんにでていただいたり、蛯原さんにも先日出ていただきました。

 

(ここでリンクトイン日本代表の村上臣さんが登場)

 

:あ、村上さん、前のほう空いてますよ。なんなら対談に参加いただいても(笑)。

 

村上:あ~、そうですか! すみませんね。急にお邪魔して。どうも、リンクトインの村上と申します。オフィスがこの上でして、ちょうど良かったっていう。前回KiNGさんとフィラメントの対談イベントをやらせていだいて。

 

:フィラメントのBeyond the BizというイベントでKiNGさんと村上さんにトークをしていただき、そしてKundaliniTVではKiNGさんと蛯原さん、さらにフィラメントの記事で蛯原さんと僕が対談したという。というわけで、今日なぜか最終4人になった状態でございます。

 

村上:飛び入りということで。モデレーターは角さんなんでしょ?

 

蛯原:きっとモデレーターが一番喋るっていうパターンだよね。

 

:ちょっとしか喋らないですよ(笑)。

 

コンテクストを探す蛯原さんの思考スタイル

:いろいろトピックは設定しているんですけど、アイスブレイク的な雑談から入りたいと思っていまして。まずはお二人の思考スタイルのバックグラウンドについて、蛯原さんからお聞きしたいんですけど。『テクノロジー思考』を読むとテクノロジーを中心軸に据えつつも、歴史的な過去と未来を行ったり来たりして、また地理的にもいろいろな国を行ったり来たりされて。そこが読んでいて快感だったんですけど、どうしてそういう思考スタイルを身につけられたのか教えていただきたいです。

 

蛯原:思考の深さみたいなのは、先天性だと思うんですよ。私は授業みたいなレクチャータイプの話は、病的に聞くのが苦手だってのもあって。

 

:テクノロジー思考といいつつ、テクノロジーに囚われずに歴史の話とか、いろんな話が出てきますね。リベラルアーツというか。

 

村上:どっちかというと地政学ですよね。攻めたリベラルアーツに近い。

 

蛯原:本当は『テクノロジー地政学』っていうタイトルにしたいと思ってたんですけど、腕利き編集者に「それじゃあ売れない」って言われました。 

 

村上:ちょっと身構えちゃいますよね。こんなにユニークな場所にある島国のわりには、日本では地政学っていう学問自体があんまり知られていない。今ベンチャーキャピタルをやられていて、いろんなビジネスの種に出資する目利きをする時に、どこで生まれたビジネスなのかっていうのはグローバルのカルチャーに依存すると思いますし、そういう視点がこの本からも感じられたなと思っています。

 

 

蛯原:でもVC(ベンチャーキャピタル)を20年以上やってきたからそういう思考になったのかなと思いきや、他のVCの人たちは別にそういう見方をしてるわけでもないので、あんまり関係ないんじゃないかなと思ってるんです。これってメタ認知みたいなものですよね。自分や客体を客観視してみて、かつピントを合わせたりひいたりしていると、そこにいろんなコンテクストが発見される。それを言語化する作業って、多分アートとかクリエイティブとかに大いに関係すると思うんです。

 

 例えばインドの人ってメタ認知能力が弱いと思うんです。だから面白くない話をダラダラダラ~ってすごい早口にするわけ(笑)。

 

村上:そうですね。基本早口ですね。僕はソフトバンクがバルティ・ソフトバンクを立ち上げた時のメンバーだったので、インドは足かけ4年ぐらいやっていた。

 

蛯原:話が面白くないですよね。基本的に人の話を聞こうが聞くまいがあんまり関係ないみたいで。だから私のメタ認知するクセって、半分以上生まれついてるみたいなそんな感じ。別にそれが優れてるとかそういう話じゃなくて。

 

村上:それって脳内でやるんですか? それともメモをとったりとか。前田裕二さんみたいなメモ魔で、あとでポイントを振り返って客観にもっていくやり方の人もいるじゃないですか。

 

蛯原:僕の場合もメモることが多いですね。振り返ってこれとこれ繋げようみたいなことはちょいちょいやります。

 

村上:『メモの魔力』読んだ?

 

:読んでないんですよ。

 

村上:あれも面白いよ。メモの取り方をフレームワークとして。線を引いて書いたことをどういうふうに転用するか。抽象と転用みたいなプロセスをやることで、より多くのことを成し遂げようみたいなメソッドが書いてあるんですけど、40万部いきましたよね、あれは。

 

:すごいな!

 

村上:前田さんは「目指せ100万部!」って頑張ってるんで、ぜひ。

 

:分かりました。そうか、蛯原さんは生まれつきか。KiNGさんにもぜひ、思考のバックグラウンドみたいな話を。

 

KiNG:というか、いいですか? 蛯原さんのビジュアル資料の美しさが最高なんです。私からすれば現代アートだと思ってて。現代の社会をデータ化したアートだと思っています。

 

蛯原:いや、それは言いすぎでしょ。それにあえて、若干へそ曲がっているんで本には図版を1個も入れてないんですよ。どうしても編集者が「この写真だけ入れてくれ」って言われて。よく使われる陳腐なやつ。

 

:ニューヨークの5番街を撮った写真なんですけど、1900年の頃の写真は馬車がいっぱい走ってるんですけど、13年になると自動車ばっかり走ってる。

 

村上:あれはT型フォードですね。

 

蛯原:1908年にT型フォードがリリースされて、たったそこから5年で一気に道路に馬車がいなくなって車になった。T型フォードって「大衆化・量産化・低価格化」ですよね。そういうコンテクストをどう発見するか、その思考方法は何かみたいな議論なんだと思う。

 

村上:ちなみに角さんどうなんですか? 思考スタイルは?

 

:僕にちゃんとした思考スタイルはないって思いながら質問してますよね(笑)。ただ面白いものに飛びつくみたいな感じです。

 

蛯原:0秒で動け的な(笑)。

 

:0秒で動いたり、0秒で買ったり。面白いなと思ったらその人に会いたくなって、とりあえず「対談お願いします」みたいなことをすぐ言う人ですね。会ったら会ったでその人のことがいかに好きなのかを僕が話をして、気持ち悪がられたり仲良くなったりする。

 

村上:わりとエモーショナルなスタイルだよね、角さんって。ロジカルな点もあるんだけれども、すごい全面に出るのはいつもエモーション。

 

KiNGさんの基盤にあるオールドスクール

蛯原:KiNGさんの思考スタイル聞けてない。すごい聞きたい。

 

KiNG:最近気づいたのは、私は中高が浄土真宗の女子校に入れられちゃったんですよ。母も通っていた地元の。もう最悪な6年間で。

 

 

:最悪だったんですか!?

 

KiNG:ギャルだったんで(笑)。 

 

村上:仏教ギャルですか?

 

:仏教ギャル…螺髪(らほつ)とかに。

 

KiNG:いやいや、三つ編みに風呂敷ですよ、学校は。

 

村上:風呂敷!?

 

KiNG:「敬虔・勤労・高雅」が掲げられて、悪いことしたら写経みたいな、百何十年続いている学校で。そこが面白かったっていうか、私の年代でいうとヤンキーからギャルへっていう端境期でもありつつ…。

 

:ヤンキーからギャルへってどういう時代?

 

KiNG:安室ちゃんと浜崎あゆみって違うじゃないですか? 今から振り返れば両方ともヤンキーっぽいですけど。 大きく括ると、そこの違い。

 

:安室ちゃんはヤンキーのほうなんですか?

 

KiNG:安室ちゃんはどっちかというとヤンキーじゃないですか。ヤンキーよりのギャル。いや、ギャルよりのヤンキー。どっちも一緒か(笑)。そんな時代なのに、古い体制の学校で、ギャップがすごくあった。

 

蛯原:それが思考やキャリアにめちゃくちゃ影響した?

 

KiNG:すごい影響しますね。漢字を死ぬほど覚えさせられたり、毎日お経を読んだりしていたので、自分の根底にはすごいオールドスクールな基盤があるんです。

 

:女子校だったことの影響とかもあるんですか?

 

KiNG:いろいろありますよね。女子だけ集めるってなかなか異常性が高いじゃないですか。案外がさつになるんだなとか思ったりして、結構ヤバい。

 

:共学だと可愛い子が頂点に立つようなヒエラルキーが形成されやすいけど、女子校だとなんでも「それはそれでありだよね」みたいな感じで、ピラミッド型のヒエラルキーが形成されにくい気がする。

 

KiNG:そう。自律分散な感じですね。

 

村上:クラスターが分かれますよね、女子コミュニティは。5人揃うと3つの派閥ができるっていうぐらい分かれて、大体三国志的になってくる(笑)。 私も、中高はずっとブラスバンド部で、ほぼ女子コミュニティの中で青春を送っていました。部員が50人で男3人とかだと、ほとんど男子が存在してないようなもの。なので目の前は女子校状態で、たいへんがさつなお嬢様がいらっしゃる、と(笑)。

 

:多様性オッケーみたいな感じになったりとかするもの?

 

KiNG:完全に多様性、そういう意味では。男子がいないので逆にそうなる。

 

蛯原:僕も地方の進学校で、数年前までは男子校だったので女性は1割いたかいないかぐらいじゃないかな。ちょっと近いですよね、変なやつの出現確率が高くなる。

 

KiNG:それが私の思考にどう繋がってるかっていうと、仏教校って案外トータルに勉強するので。仏教ってそもそもリベラルアーツ的だと思う。

 

村上:歴史もありで。

 

:いろんな神様に、どんどん俺のとこへ来いみたいな感じですもんね。仏教って。

 

KiNG:浄土真宗は、江戸時代は隠れキリシタンの隠れ蓑だったりね。

 

村上:仏教の中で特に浄土真宗はアバンギャルドというか、なんでもオッケーなタイプのものですからね。

 

KiNG:あともう1つ言うとしたら、実家がお風呂屋さんだったので。

 

:どういうことですか?

 

KiNG:水と火を使って、お客さんを入れて公共の場を作るのは、もともと江戸時代の忍者の情報部にもつながっていて。伊賀者のような火薬系忍者は江戸城の西側に住んで、調合系は富山の薬売りで各家庭に行って情報を得て、お風呂屋さんは裸の付き合いで情報がたくさんくるってのが根本の発想だったらしいです。

 

:すごい。雑学的なリベラルアーツがとまらない(笑)。いいですね、雑談いいですね。

 

 

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