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新産業共創スタジオのお披露目!「Industry-Up Meetup」SUNDREDイベントレポート

新産業共創スタジオのお披露目!「Industry-Up Meetup」SUNDREDイベントレポート

SUNDREDの事業お披露目となるカンファレンス「Indusry-up Meetup」が、8/22に日比谷・東京ミッドタウンの「BaseQ」で開催、このイベントの総合司会を弊社CEO・角勝が務めました。

「社会起点で100個の新産業を創る」という高い目標をかかげているSUNDRED。これまで陸上養殖システム産業のための六次化プラットフォーム事業の推進や、医療診察情報産業のためのトリガー事業の発掘などを行ってきました。

今回のカンファレンスでは、事業の中心となる「新産業共創スタジオ」のプランがお披露目されました。(文:宮内俊樹)

 

■日本で新産業を創るために必要なことはなにか?

■スキマ産業としてしか投資できていない日本の課題

■進行中の新産業テーマは4つともユニーク

■イノベーションがなぜ起きないか。多彩なパネラーが議論

■インダストリーアップのかけ声でイベントはフィナーレ

 

日本で新産業を創るために必要なことはなにか?

 

まずは開会挨拶として、一般社団法人Japan Innovation Network 代表理事・紺野登氏が登壇されました。「リフレーミング:社会起点の新産業構想を実現するには」と題して、簡単にプレゼン。コペンハーゲンのBLOXという新しい社会・産業・経済を生み出したモデルを引用しつつ、こうした都市全体を変えていく試みが世界中で起こっているという非常に今日的な状況を明解に指し示しました。

 

さらにはアメリカの経営者のステートメントで、株主第一主義・ROE偏重の経営からの脱却を宣言した事例を引き(日経新聞記事はこちら)、「これはアメリカのピボッティングである」というタイムリーな指摘をしていたのがとても印象的でした。

 


 

続いて、同法人・西口尚宏氏は、国際規格・ISO56000シリーズを紹介し、「イノベーション経営の標準化」が進んでいることを紹介。「イノベーションとはいわばアプリの集合体だが、OSがないと動かない。肝心なのはOSをアップデートすること。組織としての創造性を育む、二階建て経営が必要です」と語りました。

 

スキマ産業としてしか投資できていない日本の課題

 

日本においていかにしてイノベーションを起こすのか、という課題感が共有されたところで、フィラメントのCAO(Chief Accellaration Officer)でもある、SUNDRED株式会社 代表取締役 / パートナー・留目真伸氏が登壇。

 

「振り返ってみるとこの25年間、日本は成長していない。次の世代に何を残していくかって時にこれじゃまずいなと思った。それがこの新産業共創スタジオをスタートしたきっかけ。新しい目的、新しい関係性、新しい共通言語を作ることで、新産業を生み出したい


 

 

「例えば流動性の高いアメリカだとスタートアップが成長領域に新しいビジネスをつくると、お金も人も大企業からがっと動いてくる。かたや日本だと、成長領域に各社で取り組んでいるけれども、5000万円程度の予算で100社がバラバラでやっていたりするわけです。これじゃあスキマ産業程度にしかならなくて、新産業にはならない」

 

そして新産業創出のキモとなる、新産業テーマとトリガー事業が紹介されました。

 

 

進行中の新産業テーマは4つともユニーク

現在進行形のテーマは、「医療診察情報新産業」「陸上養殖システム新産業」「バーチャルトラベル新産業」「ハピネス行動経済新産業」の4つ。

 

他にも、「代替食品」「循環型経済」「美容行動経済」「ライフシフト教育」「低空域サービス」といったテーマが例としてあげられていました。

 

それぞれのテーマに対して、トリガーとなる事業が設定されています。どこに市場があるか・ペインがあるか・トリガー事業があるかという「探索」から事業プランが進められていることを感じました。

 

まずは「医療診察情報新産業」として、シェアメディカル社の代表取締役・峯 啓真氏が登壇し、聴診器のデジタル化ユニット Nexstetho(ネクステート)を紹介。19世紀に発明されて以来、約200年間進化のなかった聴診器を便利にする事業です。

 

 

 

そして「陸上養殖システム新産業」として、金子コードの金子智樹社長。工業製品を生産するメーカーとして培った技術を活かし、チョウザメ養殖及びキャビアの生産を行い、世界一おいしいキャビアを目指す。

 

 

 

最後に、「バーチャルトラベル新産業」として、ジャックイントラベルを運営する株式会社LENSEE・代表取締役の齋藤雄一氏。インターネットを介して人と人の視覚をつなぐことで、ある人の旅行体験を、別の地点の人間が共体験できる「旅行体験革命」を目指す。


ここまで盛りだくさんだったため、かなり時間が押し気味になっていることが司会の角の様子からも会場へ伝わってきていたのですが、あせることなく「ここで私からひと言だけ。金子コードのキャビアは大変おいしゅうございました(笑)」とコメントし、会場から見事に笑いを取りました。

 

 

イノベーションがなぜ起きないか。多彩なパネラーが議論

 

後半はパネルディスカッション。登壇者は、

・林 揚哲 中小企業庁 創業・新事業促進課長

・尾崎 典明 筑波大学国際産学連携本部 准教授​

・澤山 陽平 Coral Capital 創業パートナー

・中村 亜由子 eiicon company 代表/founder

の4名、モデレーターは留目氏が務めました。

 

澤山:リーダーシップが一番大事だと思っていて。 なぜスタートアップから新しいものが生まれるかと言うと、やっぱり合議制では進まないタイミングってのがあるからで。

 

留目:私も社長をやっていて、自分も変人になるぐらいの気持ちで新規事業をやってたんですが、それでも会社を変えるのって難しいんですよね。新規事業をやる人って大変。

 

尾崎:そういう意味では、元気な大企業ってやっぱりオーナー企業が多いんですよね。自分で意思決定できる意味でも、パッションの部分でも。そうじゃなければ、 オープンイノベーションで外出しをするか、会社に小さなユニットを作ってやるのが極めて合理的なアプローチだと思います。

 

中村:皆さんが囚われてる、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)の呪縛とか全会一致の幻想とかは強くあって。ホウレンソウの呪縛を一旦外すとうまくいってるケースはよく見ますね。実は勝手にやっても首にならないって、日本の良いところで(笑)。

 

留目:だからオープンイノベーションの場に集まると、みんないいアイデアを持ってるし、何をやんなきゃいけないかって分かってらっしゃるんですよね。残念なのは、その場ではみんないいねいいねって言うんですけれども、会社に帰るとできない。


インダストリーアップのかけ声でイベントはフィナーレ

ここで冒頭のISO56000シリーズをいかにうまく企業で使うかという話になり、西口さんからは「これは大企業向けというわけではなく、ヨーロッパではむしろこれは中堅企業向けに作られた経緯があります」という発言から、林さんが中小企業の課題は「人材」だと指摘する。

 

:日本の99.7%は中小企業で、日本の経済の根幹なんです。人材の層が不足しているので外との関係の中でやっていくしかない。これからの時代はチームでやっていく。そこには多様性が必要。

 

澤山:もちろん多様性も絶対大事。でももうひとつは、例えばスタートアップはいまできることの積み上げでなく、逆算で考える。「空飛ぶクルマを作りたい」と思ったらそれに必要な技術やリソースを探してくる、だから結果的に多様性が生まれると思うんです。

 

留目氏の「インダストリー・アップ」のかけごえで、閉会しました。

 

そこからの懇親会がまた濃密で。いわば産・官・学を超えた多彩な顔ぶれとキーパーソンがそろいまくっているわけですから、とてもじゃないが時間が足りません。ネットワークという意味でも、SUNDREDの「新産業共創スタジオ」というプラットフォームは大きな可能性を持っていると痛感させられました。


イベントの中で発表されましたが、SUNDREDでは『実現すべき未来』につながる「①新産業テーマ」、特定の「②新産業のエコシステム」、新産業共創の発端となる「③トリガー事業」の3つのカテゴリーに関するアイデアを公募し、産業化の加速支援を行う「Industry-up Studio Program」を10月よりスタートします。「企業・スタートアップ」ではなく「産業・エコシステム」の共創にフォーカスしたプログラムというのは非常にユニークな取り組みですし、実際のプロジェクトを通じて整理されてきたコンセプトやプロセス、メンバーと関係者の熱量からも、新産業が共創されていくきっかけになるのではと大いに期待したいと思います。勿論、フィラメントとしても強力に応援していきます。


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