「どうやったら良いアイデアを出せるようになりますか?」

私たちフィラメントが新規事業創出のメンタリングやワークショップを提供するなかで、必ずと言っていいほど聞かれるの質問のひとつが「アイデアの出し方」についてです。それぐらい新規事業創出の現場では、アイデアの出し方がわからない、悩んでいる人が多いと実感しています。

フィラメントは自分たちの会社を「アイディエーションファーム」と定義しています。これは、いわゆる「コンサルティングファーム」と呼ばれる会社とは性質が異なります。一般的なコンサルティングファームの場合、状況分析や未来予測などのデータを分厚いレポートにまとめて出してくるイメージがあると思いますが、基本的に私たちはそれをやりません。フィラメントは新規事業創出 の伴走支援を通じて、アイデアを膨らませたり補強したりする「アイディエーション」をコアバリューにしています。

今回は、新規事業の「アイデア」を出せるようになるための思考習慣をご紹介します。

アイデアを出すとは

アイデアを出すことを「ひらめき」と勘違いしている人が多い気がします。しかしアイデアとは、決して雷に打たれたように何も無いところから突然思いつくわけではありません

アイデアを出すための思考プロセスを図式化してみるとこうなります。

①疑問

疑問とは?

自分の「常識」とマッチしない情報/自分が知っていることからはみ出した情報に接したときに生ずる違和感(自分の得意でない領域の情報の方が疑問を生みやすい)

疑問をもつための態度⇒インプットのレンジを広げる

・普段自分が知らない業界の知識を意識的に摂取します

②仮説

仮説とは?

直接説明できない現象に、他の事例の原理や法則をあてはめて類推(アナロジー)した仮の説明

*仮説を作るには事実を応用可能な状態ー表層的事実から構造情報までトータルに理解している必要があります

仮説を立てるときの考え方 ⇒「なぜ」と「とは」で本質を理解する

・ものごとを常に「なぜ」や「とは」で考えます

・「なぜ」で考えると構造化がしやすい

・「とは」で考えると概念化がしやすい

・ものごとの表面的な事実のみで捉えるのではなく、その裏で動く原理や構造を解き明かして記憶すると、応用可能になります

③検証

検証とは?

仮説立案の思考経路とは別な角度から多面的に整合性を確かめること

検証するときのやり方 ⇒多面的に検証する

・自分の持つ「知の引出し」から仮説とは別の思考経路を引用する(幅広いインプットとそこから抽象化された情報があれば、自分の中で多面的な分析・検証ができます)

クリティカル・シンキング(検証思考)により「思いつき」をアイデアに整える

「知の探索」と「面白がり力」

専門外のことに対して積極的に興味を持ち、応用可能な状態で「知の蓄積」をつくることです。

その「知の蓄積」を参照する癖をつけると、「疑問→仮説→検証→アイデア」の思考習慣が定着し、「知の蓄積」も豊かになっていきます。

アイデアを出すとは「知の引出し」を使った情報の整理と転用と言えます。

これが個人にできる「知の探索」です。

そして、「知の探索」を行う際に必須となる心理特性が「面白がり力」です。

「面白がり力」とは、好奇心・感受性・能動性の複合マインドセットであり、いろんなものに興味をもってポジティブに面白がれる力です。幅広く様々なものごとや人との関わりを肯定的にとらえ、能動的に面白い部分を見出しオープンに伝えていくことで、個人の「引き出し」と「切り口」を豊かにするとともに、仲間を巻き込み、繋がりを育みます。

「面白がり力」とは持って生まれた資質ではなく、後天的に鍛えられるものです。

みなさんも「面白がり力」を身につけることで、イノベーティブなアイデアを再現性高く出せるようになりましょう。

フィラメントでは企業向けに「面白がり力」強化プログラムというワークショップを提供しています。このワークショップでは、自らの興味の幅を拡張し「面白がり力」を強化することで、新規事業創出にも役立つ個人の「引き出し」と「切り口」を増やすためのキッカケをつくります。それと同時に人を巻き込み、縦割りの組織を“横串”で繋ぐことができる人も育てます。

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