フィラメント公式YouTubeチャンネルでは毎週水曜日に『新規事業お悩み相談室』を配信しています。この番組では、実際に新規事業に携わっている方々からお寄せいただいた質問やお悩みに、数々の新規事業の現場を見てきたスペシャリスト村上臣さん、グローバルなスタートアップ投資家として有名なリブライトパートナーズの蛯原健さん、そしてフィラメントCEOの角勝が相談員として回答しています。
本記事では、動画で配信している『新規事業お悩み相談室』を1分で読めるダイジェスト版としてお届けします。
今回いただいた相談は「新規事業担当者の個人SNSの効果的な活用方法」です。
質問者:
化学素材メーカー・Cさん
相談の背景や理由:
大企業で新規事業を担当しています。先日、他社の新規事業担当者から「SNSは絶対にやったほうがいい」と言われました。学生時代にFacebookアカウントを作りましたが、就職後は利用しておらず、社内の人もSNSを積極的に使っていません。しかし、久しぶりにFacebookを立ち上げてみましたが、具体的なイメージがわかりません。これからどのようにSNSを活用すればいいのか、メリット・デメリットを含めた活用方法を知りたいです。また、Facebookだけでなくビジネスに効果的な他のSNSがあれば教えてください。
角:本日のご相談は化学素材メーカーCさんから「新規事業担当者の個人SNSの効果的な活用方法」についてのご相談です。まずは蛯原さんからいかがでしょうか?
蛯原:多分、大企業の場合はSNSからは遠ざかるって方は結構多いんです。 逆に、私が普段付き合ってるスタートアップだとSNSをやっていない人の方が少ないですよね。ただ、おそらく統計をとったら、SNS活用頻度やそのエンゲージメントの多さといったものと業績との相関はあんまりないんじゃないかなと思いますね。
「結論、SNSは関係ない」って言っちゃったらこの質問終わっちゃうので(笑)、もう少しお話ししますと、私はあんまり意識されなくても良いのではないかと思ってます。
私は新卒入社したときはWEB予約機能ができたぐらいの時だったので、SNSとかもなかったんです。 だから、この業界といえばこの人たちみたいなとこに入り込むのって、ものすごい大変だったんです。 それがSNSだと比較的やりやすくなっていて、たとえば、立ち上げようとしている新規事業の業界の第一人者たちがいるグループや掲示板みたいなところを見つけるみたいなことがやりやすくなっていると思います。発信の面では、当たり前ですけど、自社の新規事業についての宣伝広告になるということですね。
角:ありがとうございます。僕も相談内容に書かれている、「(他社の新規事業担当者が言う)SNSをやった方がいい」っていう感覚はなんとなくわかるんですよ。なぜかというと、新規事業をつくるときに想定顧客を探してインタビューしたいときに、インタビュー対象者をいろいろ紹介し合うというのは新規事業担当者同士がやっている雰囲気があります。そのような使い方のためのコミュニケーションツールみたいな部分でそう言っているという節はちょっとあるなと思いましたね。 村上さんはいかがでしょうか?
村上:全体的にもうちょっと掘り下げた質問が欲しいな、回答が一般的になっちゃいそうだなというのを懸念してます。まず、他社の新規事業担当者のお知り合いがいるのはいいことですよね。SNSをやったほうが良いと言われて、じゃあやろうかって動きが早いのはいいと思うんですけども、 何が良いのかというところが知りたいですよね。その方の言うメリットデメリットはなんなのかなと。
あと、SNS=Facebookっていうところが年齢を想像しちゃうぞみたいな感じで、今、いろいろSNSがありますよね。素材メーカーのCさんがどういう新規事業されてるのか分からないんですけども、多分、BtoBだとするとあんまりSNSって関係ないですよね。なので蛯原さんがおっしゃる通り、どこかに認知されたいとか、最終的にはリードを取りに行きたいといったときに、その一手としてSNSって有効活用できると思うんですけども、 それが通用する状況なのかはわからないですよね。逆に言うと、学会へ行った方がいいのかもしれなかったり、どこにターゲットがいてそのときにどんな手段があるのかを考えるのが良いかもしれません。まずはSNSありきから、ちょっとちょっと引いた目で見てみた方がいいんじゃないかなと思います。
今、マーケティングの世界でSNSが重要だと言われてるのは、BtoCの場合だと商品のフォロワーが多いというよりは、UGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)の部分です。要はこの商品をSNS上で話題にしてくれてるのかいうことですよね。そのためにいろんなマーケティング活動をやったり、イベントをやったりとさまざまな仕掛けをしていくわけです。なんでそれをやるかと言うと、それによって検索が増えるからです。認知から行動になって購買に繋がる。
角:なるほどなるほど。
村上:なので、単純にSNSって言っても、その活用方法は自分たちのその商品・商材・事業とひっくるめて考えないといけません。そうじゃないと、炎上の恐怖とか、社内での風評とかとにかく余計な時間を使うわけです。SNSの反響が気になって本業に身が入らないみたいなことになるくらいなら120%事業に集中するというのも大切だということを最初に言っておきたいですね。
角:相談者の方は、「SNSを絶対やった方が良いよ」って言われて「なんでですか」って聞き返してないんですよね。そういったコミュニケーションをとるタイプの方ってSNSに向いてないんじゃないかという気がするんですよね。そういうタイプなんだとすると、コミュニケーションにコストばっかりかかって、あんまりリターンがないんじゃないかという感じもなんとなくするので、闇雲にやるよりは「本当に必要なのか?何のために使うのか?」といった部分をしっかり考えられるほうが良いと思います。
ということで、化学素材メーカーCさん、ご参考にしていただければと思います。
回答のまとめ
1.SNSの活用方法と効果:
・SNSは新規事業の立ち上げ時に、業界の第一人者らがいるコミュニティにアプローチするためのツールとして有効であり、自社の新規事業の宣伝広告としても活用できる
・新規事業担当者同士が、想定顧客を探してインタビューする際に、SNSをコミュニケーションツールとして活用している
・SNSの種類によって、活用方法や効果は異なる(BtoBとBtoCでは違いがある。BtoCではUGCを重視。)
2.SNS活用の留意点:
・SNSありきではなく、ターゲットに合わせた手段を考えることが大切
・SNSの反響に振り回されず、事業に集中することが重要
・SNSを活用する目的を明確にし、コストとリターンを見極める必要がある
・SNSの必要性や活用目的をしっかり考えた上で判断することが重要
今回ご紹介した内容は、以下のリンクから動画で視聴できます。
本記事では要約をお伝えしましたが、テキスト化できなかった部分もありますので、回答のフルバージョンをぜひ動画でご覧ください。
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