事例概要

「新たな『知』を取り込む」「新たな『繋がり』をつくる」「自らを常に変革し続ける」
そうした活動を実行し続けるためのマインドセットが「面白がり力」です。

フィラメントでは、そんな「⾯⽩がり⼒」の鍛え⽅を体感・獲得するワークショップ“「⾯⽩がり⼒」強化プログラムWS”を提供しています。このワークショップでは、まず最初に4~5人/1チームのグループに分かれ、お互いに「自慢する→ほめる」ワークを繰り返します。そして、その中でから出てきた「自慢ネタ(面白がって得た知識)」をもとに「落としどころ」を全く考えないエクストリームなアイデア創出を体験してもらい、知識の活かし⽅、発想の広げ⽅を⾝につけていただきます。

インプット面白がり力とその効果についてのセンスメイキング
事例紹介を交えたプログラム概要説明
ワークの解説(具体的な自慢の仕方・褒め方の説明等)
約30分
ワークグループワーク① 自慢・ほめる×チーム人数(4~5人)
グループワーク② ビジネスアイデア発想
(世界を大きく変えるクレイジーなアイデアをチームで考える)
約75分
アウトプットチームプレゼン(自由な雰囲気のもと「面白がり力」の成果開示)
講評(講師による「褒める」の実践的例示)
約45~75分

「面白がり力」強化プログラムWSはいわば「筋トレ」。普段から意識し続けることで引き出しや切り口を増やす/増やし合う、ものの見方・態度の練習です。ワークショップ実施後、日を置いてフォロー会を開催し、再度このスキルを意識していただくことで、日常生活での定着を図ります。

実際に「面白がり力」強化プログラムWSを実施後、フォロー会を開催された関西電力 経営企画室 イノベーション推進グループ白須様虎竹様、そして梅林様のお三方にその目的や効果をお話しいただきました。

「面白がり力」強化プログラムWSフォロー会の目的と効果

--「面白がり力」強化プログラムWSの本編とは別に、フォロー会を企画された目的を教えてください。

研修プログラムとして今までにもいろいろな方をお招きして講演会などを開いてきました。毎回数十人~100人程の参加があり、「うちの社員には勉強熱心な人が多いな」というイメージを持っていました。でも、「そこで得たスキルが何かに活かされているのか?」と考えたときに、あまり運営側としてもその手応えを感じていませんでした。

そこで、講演や研修で身に着けたスキルをちゃんと“使えるもの”にしてもらいたいという思いもあり、「面白がり力」強化プラグラムWSの参加者を対象とした「フォロー会」を実施するに至りました。

--フォロー会はどのような内容で実施されましたか?

まずは、なるべくハードルを上げず、気軽に参加いただけるような内容にしたいと思っていました。そこで、ワークショップ実施からちょうど1カ月後ぐらいのタイミングで、改めて「面白がることを思い出していただくこと」と、メンバーに褒められて「自己肯定感をもう一度高めてもらうこと」の2つを目的としました。

具体的には、参加者の皆さんが1カ月前のワークショップの中で出した自慢ネタをみんなで投票し合って、上位4名の方に自慢ネタをもとにまたお話ししていただきました。

もう一つは、角さんに改めてもう一度「面白がり力」の解説をしていただきました。これはものすごくよかったなと思っています。アンケートの中でも、1カ月経って、また業務に忙殺されて、面白がることを忘れかけていた中で、再度気付かせてもらったという声がありました。そんな皆さんと、きちんとラップアップができたのはすごくよかったなと思いますし、それはフィラメントさんのアドバイスの賜物だったなと思っております。

--フォロー会の目的のひとつに「自己肯定感をもう一度高めてもらうこと」を挙げられていましたが、普段社員の皆さんの「自己肯定感」が足りていないように思われることがあるのでしょうか?

「電力」という社会的に重要なインフラを担う企業ということもあり、いろいろ自分たちの与えられている役割や責任を全うして、成果を出して、仕事をしているという自負はもちろんあると思うんです。しかし、あまり職場で見せていなかった自分の一面を出して、「それすごいですね!」と周りの人から褒められる経験はあまりなかったようです。

今回の「面白がり力」強化プラグラムWSは、あえて仕事以外の部分でも自慢していいという設定だったんですよね。自分の中ではこんなことを自慢していいのか分からないけど、試しに出してみたらめちゃくちゃ褒められて、「これってもしかして自分にとっての強みなのかもしれないな」という気付きがあったのかなというのはすごく感じました。

--実際にフォロー会に参加された方からはどんな感想が来ていますか?

「忘れかけていた部分を、この1カ月後となるこのタイミングで思い出すことができて、また行動につなげられた」という方がいらっしゃいました。また、全体を通じて「職場の中で、今回の面白がることについて発信してみました」という方も複数名いらっしゃいました。「自分の職場でもやってみたい」と言っていただいた方もいらっしゃったので、実践しやすいスキルセットに近いのかなと思いましたし、2回、3回と熱が冷めないうちに続けてやることで、すごくいいきっかけをつくれたのかなと思います。

アウトプットの中身も、想像していた以上に皆さんいろいろ取り組んでくれて、それを話し合うことでさらに刺激にもなったと思います。自分で文字にして整理することで、皆さんの頭の中もすごく整理できたと思いますし、それを誰かにまた褒めてもらって、さらにやる気が高まっていったんじゃないかなと思います。

--フォロー会に参加された人の中で、運営のみなさんが特に「この人はすごく動いているな!」と感じた方はどんなことをされていますか?

趣味でAIを勉強して、「競馬AI」をつくっている方がいらっしゃったんです。その活動について職場の懇談会で、こんな開発していますと話をしたところ、周りの皆さんからもすごく評価されたという話を聞きました。ワークショップの参加者だけでなく、職場の方々にも“面白がりの芽”を与えられたんじゃないかと仰っていました。

--「面白がり力」強化プログラムWS、フォロー会を経ての気づきはありますか?

大きな変化としては、思考のベクトルがいろいろな方向に向き始めたと思います。これまでは効率的に、仕事に直結するようなものを選び取るような方々が多かったと思うんですが、もっと幅広くいろんなものに興味を持つのがいいんだということに気付いた方は結構いらっしゃったと思います。また、職場の風土醸成や、社員の皆さん同士が仲良くなるということにもすごく役立つので、褒め下手な人に褒める力を付けてもらってチームマネジメントに活かすというのもありかなと思いますね。褒めることで組織の横串をつなぐことにも効果があったと思います。


白須 方崇さん
関西電力 経営企画室 イノベーション推進グループ

1996年入社。情報通信部門を中心に、販売や土地管理などの部署を経験。 直近では、再生可能エネルギーの発電所開発にも従事し、2021年7月より現職。


虎竹 正樹さん
関西電力 経営企画室 イノベーション推進グループ

2002年入社。営業所勤務を経て、広報部門等で報道対応業務に長く従事。 また、財団法人に2度、出向し、財界の広報活動を経験。2021年7月より現職。


梅林 英貴さん
関西電力 経営企画室 イノベーション推進グループ

2016年入社。法人営業部門にて中小規模向けの営業戦略検討や新サービス開発を担当。 2021年4月より社内公募制度を活用して、現職に異動。イノベーション風土醸成、人財育成やCVC運営を担当。