大企業では今、社内から新規事業を創出しようとする動きが活発化しています。
その取り組みのひとつが社内ビジネスコンテスト、いわゆる「ビジコン」と呼ばれるものです。

ちなみに私たちフィラメントが伴走支援しているNTTコミュニケーションズ株式会社の社内ビジコン「DigiCom」からも、2021年7月に「Smart vLive」というライブ配信プラットフォームサービスが事業化されました。

しかし、一般的にはビジコンの審査で高い評価を受け入賞したアイデアが、そのままトントン拍子に事業化へとつながったという成功事例はあまり聞かないのではないでしょうか?むしろビジコン終了後にチームが目標やモチベーションを失い、道半ばにして空中分解あるいは撤退したというケースのほうが多いような気がします。

今回は、そんな残念な“ビジコン燃え尽き症候群”にならないための、「ビジコンから事業化へとつなげる4要素」についてご紹介したいと思います。

ビジコン終了と同時に起こること

「ビジコン入賞おめでとうございます!」

入賞者のみなさんは、応募から一次選考、二次選考と、数か月間にわたる激戦を勝ち抜いてきた達成感と高揚感でいっぱいのはずです。

・・・と同時に、こんな戸惑いにも包まれているのではないでしょうか?
①これからのアクションが具体的にイメージできない
②モチベーションを維持していけるだろうかと不安
③本業との両立が難しい

それもそのはず。なぜなら、「ビジコン」と「事業化」はそもそも全く別の種目・全く別のルールのものだからです。ビジコンを100点満点のテストだとすると、事業化のゴールは100,000点?あるいはテストといったレベルのものではないのかもしれません。

たしかに、ビジコンの期間中は
・やるべきことは、はっきりしている
・会社全体がビジコンに向けた雰囲気になっている
・一緒に取り組む仲間やライバルもたくさんいる
といった好条件が整っていたかと思います。

しかし、いざビジコンが終わってしまうと
・やるべきことも、はっきりしない(チームそれぞれ異なるため)
・みんな本業の仕事にいそしんでいる
・取り組んでいる人は一握りしかいない
と、急に取り残されたような気分になります。

これらはどこの会社でもよく見られる光景で、ビジコン終了からアクセラレーションフェーズに移行したばかりの新規事業では「あるある」のパターンと言えるでしょう。参考までに、これまでフィラメントがさまざまな会社の新規事業を支援するなかで見てきた「アクセラレーションフェーズの新規事業あるある10選」を紹介します。

アクセラレーションフェーズの新規事業あるある10選

①何から手をつければいいのか?どんなスケジュールでやればいいのか?よくわからない
タスクのブレイクダウンとプロマネ問題

②そもそも、コンテストで入賞したアイデアそのままでよいのか?修正が必要なのか?判断ができない
プロダクトの磨きこみ判定問題

③本業が忙しくて、新規事業の方に取り組む時間も余裕もない
本業に流される問題

④チームで集まる時間を捻出するのも難しく、日程調整にも時間がかかってプロジェクトが進まない
チームの足並問題

⑤まわりにやっているチームがいないので、孤独な感覚になってモチベーションも下がり気味
みんながやってないことやってていいんだっけ問題

⑥本業の所属からは「本業の方をちゃんとやれ」的なプレッシャーを感じる気がする
祭りが終わった感問題

⑦自分たちの事業の次のゲート通過の課題設定をどうするか?そこも自信がもてない
新規事業のKPI難しい問題

⑧想定ユーザーのインタビューをしようと思うが想定ユーザーが見つからない or インタビューの仕方がわからない
ユーザーへのリーチ難しい問題

⑨「このアイデアって自社だけでできるんだっけ?」外部の連携が要るのかも外部連携の仕方もわからない
外部連携先問題

⑩がんばって事業を立ち上げてもどうせ本業でしか評価されないのでは?とか考えだすと萎える・・・
新規事業の人事評価に関する根源的問題

ビジコンから事業化へとつなげる4要素

どうですか?みなさんもきっとどれか当てはまるものがあったのではないでしょうか。
たしかに悩みますよね。

でも以上のような感覚に陥る原因は、簡単に言ってしまえば自分自身が「ワクワクできてない」→つまり「面白がれてない」からなんです。
新規事業創出のためのアクションは「成功」or「失敗」のどちらであっても、それは他の人が決して知ることのできない学びの宝庫。アクションを起こして学びを楽しむこと、それが成長へとつながっていきます。

とはいえ、“ワクワクだけでメシは食えない!”というのも事実。ではなぜワクワクできなくなっているのでしょうか?
それはビジコンが終わると、ワクワクを共有できる人との接触が減少して、かわりに肯定的でない雰囲気を過敏に感じるようになるからです。その結果、自分がやっていることの「意義」を見失ってしまうんです。

でもせっかくのビジネスアイデアをそんな理由であきらめてしまうのはもったいない。
私たちフィラメントは、そんなみなさんのために「心理的安全をつくり事業に踏み出す推進力を生む4要素」を提供しています。

①アクションを起こしやすくする起爆剤 ⇒ 一緒にワクワクします

②アクションによる学びを一緒に咀嚼する仲間 ⇒ 称えます

③学びをもとに次のアクションを考える参謀 ⇒ 考えます

④みなさんの取り組みの価値を会社に伝える伝令 ⇒ 伝えます

みなさんがやっていることの「意義」を実感しながら意欲的に新規事業を進められるように、フィラメントも一緒に取り組んでいきたい!そう思いながら伴走しています。


フィラメントでは新規事業創出とそのプロセスを通じた人材開発や組織開発などを幅広くサポートしています。ご興味のある企業や個人の方からのお問い合わせをお待ちしています!

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