事例概要

広島県福山市を拠点とする常石グループと、岡山県岡山市の両備システムズ。
地域も業種も異なる両社が、新規事業人材育成において共通する課題と志を持ち、2025年秋に2回にわたる越境型の合同研修プログラムを開催しました。
社内だけでは得られない外部刺激を取り入れ、事業創出に向けた視野を広げることを目的に企画された本プログラム。両社合計26名が参加し、9月(岡山)・10月(大阪)で多様な学びと交流を深めました。

第1回:9月 岡山

体感型ビジネスボードゲーム『Biz Builder』で企業の枠を越えた学びを獲得

第1回では、フィラメントが提供する企業向けビジネスボードゲーム研修『Biz Builder』 を合同開催しました。Biz Builder は、新規事業の立ち上げから運営・撤退までを 講義とボードゲームの組み合わせで疑似体験する研修 で、アイデア発想、リサーチ、商品企画、生産、販売、撤退判断といった事業プロセスを短時間で体感できる構成になっています。
常石グループと両備システムズの参加者を混合チームとして編成し、他社メンバーとの協働を通じて、判断基準や発想の違いを実感。成功と失敗を繰り返すゲーム体験により、事業の流れや意思決定のポイントを身体感覚として学ぶ時間となりました。

第2回:10月 大阪

外部との越境接点を広げる在阪企業トークセッション × 近畿大学学生起業家ピッチ交流

第2回では、越境の幅をさらに広げ、企業間の学びと世代間の学びを組み合わせた2本立てのプログラムを実施しました。

■ 午前:在阪企業の新規事業担当者によるクローズドトークセッション
企業内新規事業の実践者から、成功・失敗・葛藤を含めたリアルな経験を共有。
自社の枠内では得られない視点に触れ、挑戦へ向けたマインドセットを更新する機会となりました。

■ 午後:近畿大学学生起業家との合同ピッチ&交流
午後は、近畿大学のインキュベーション施設「KINCUBA Basecamp」に訪問し、学生起業家との合同ピッチと意見交換を実施。企業側は、学生の柔軟な発想やスピード感に刺激を受け、学生側は、企業実務者の視点や市場感覚に基づくフィードバックを得るという双方向の学びが生まれ、世代を越えた越境体験が参加者に強い印象を残しました。

常石グループの新規事業人材育成プログラム

常石グループは、海事産業を中心に多角的な事業を展開しています。
2023年よりグループ横断の新規事業人材育成プログラムを開始。選抜メンバーが座学・ワークショップ・メンタリング等を通じて学び、約10か月の研修の集大成として、Demodayでピッチ発表を行う実践的なプログラムです。

▼ 2023年の実施レポートはこちら

両備システムズの新規事業人材育成プログラム

両備システムズは、公共・医療・社会保障分野や民間企業向けに情報サービスを提供し、クラウド・BPO事業も手掛けています。
同社ではイントレプレナーの発掘を見据えた人材育成を推進しており、座学・メンタリング・実務視点のワークショップに加えて、外部企業との交流機会も組み込んだ“外にひらかれた”構造のプログラムを、約4月にわたり展開しています。

▼ 2025年の実施レポートはこちら

まとめ

今回の合同研修が生み出した最大の価値は、両社の参加者が越境を通じて視野を広げたことでした。

  • 企業を越える(他社の視点・判断基準に触れる)
  • 業界を越える(異業種の感覚を知る)
  • 世代を越える(学生起業家の発想に触れる)

境界を越えて他者と交わることで、参加者は新たな気づきと学びを獲得しました。
常石グループと両備システムズが共に取り組んだ今回の越境型プログラムは、今後の新規事業創出につながる大きな一歩となりました。